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J-RIDA(Japan Registry for Infectious Diseases from Abroad)とは

研究目的

グローバル化によって国際旅行はますます一般的になり、コロナ禍の前の2019年には日本から海外への旅行者、海外からの訪日外国人はそれぞれ2000万人、3000万人を超えました。このような状況の中、エボラウイルス病や中東呼吸器症候群、デング熱、ジカウイルス感染症など新興再興感染症の拡大が世界における公衆衛生上の脅威となることは、新型コロナウイルス感染症を見ても明らかです。これらの感染症は旅行者によって日本国内に持ち込まれ、常にこれらの新興再興感染症の脅威にさらされていますが、一方で、日本国内での実態については十分に把握されていません。

輸入感染症は日本全国でマラリアが年間60-80例、腸チフスが年間50-60例、デング熱が年間約300例など比較的稀な疾患です。これらの疾患は、主に途上国で診断・治療されているため病態や治療など十分に解明されていない点が残っています。新興再興感染症は、報告が少ない時点では未知の感染症であり、1例の報告により、重要な知見が得られることも少なくありません。

本邦における輸入感染症の疾患レジストリを構築することによって、本邦における疫学の把握、病態の解明、診断技術や治療薬の開発に繋げることが期待されます。

また、本研究では未診断の輸入感染症に対する保険適応外となる核酸検出検査あるいはメタゲノム解析を施行することで、より診断を突き詰めることができ、未知の感染症の診断にも寄与する可能性があります。