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VISION

本レジストリに期待されること

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国際化が進んでおり感染症対策が課題となる中で、本邦では渡航前の旅行者および渡航後に罹患した輸入感染症の患者に関する疫学的知見が乏しく、これが感染症対策を行う上でも、診断薬や治療薬・ワクチンの研究開発を行ううえでも課題となっていました。そこで作られたのが海外渡航関連レジストリです。

海外渡航関連レジストリは渡航前相談レジストリ(J-PRECOR)と輸入感染症レジストリ(J-RIDA)から構成されています。

J-PRECORは渡航前の旅行者の臨床情報が収められており、この統計は参加医療機関には渡航前の旅行者の健康相談やワクチン接種を行うために参考となる情報源となっています。またこれらの情報は、今後トラベラーズワクチンの研究開発を検討する上で貴重な情報となります。

J-RIDAはマラリアやデング熱をはじめた輸入感染症の患者の臨床情報を収納しています。これらは貴重な疫学情報です。加えて一部の患者ではバイオバンクと連携し検体についても保存しています。J-RIDAは輸入感染症の診療や対策にあたる方々に貴重な疫学情報を影響するだけでなく、臨床情報と患者検体を同時に提供できるものであり、輸入感染症の診断法・治療法に関する研究開発にも活用して頂けると考えられています。

国立国際医療研究センター
国際感染症センター センター長
大曲 貴夫


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渡航医学は、日本の医学の中でニッチな領域です。しかしながら、国際化が急速に進む現代において、ニッチな領域のままにしておくことは望ましくはなく、さらなる発展が必要な分野であると考えます。

古くから渡航医学が発展していた欧米等と比べて、アジア圏ではまだ渡航医学の強固なネットワークが不足している印象であり、日本においても例外でもありません。渡航前相談の現状が把握されていない、渡航関連疾患の疫学が届け出疾患以外では不明である、熱帯感染症の診断方法が十分にないなどの様々な課題があります。

J-RIDA、J-PRECORは日本国内のネットワークを拡げ、日本における渡航医学診療の記述的なデータを拡充し、新たな方向性や今後の課題を示すことに繋がるものと考えております。

システムとしての課題もありますが、それらを解決しつつ、さらなるネットワークの拡大を目指していければと考えております。

J-RIDA/J-PRECOR 研究代表者
国立国際医療研究センター
国際感染症センター 医師
山元 佳

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